会社設立>>会社設立の入門・基礎
会社設立の簡単化
 
 会社を設立するにあたって重要な、最低資本金制度、類似商号禁止の規制、払込の証明手段などが新会社法で大きく変わりました。
 
 (1)もともと最低資本金制度とは、債権者保護から誕生した制度です。例えば、株式会社は有限責任制度をとっているので、会社が倒産した場合、株主は出資以上の責任を負いません。そのため、債権者を保護するため、会社財産を確保しようと最低資本金制度が誕生したのです。
 しかし、最低資本金制度があるため、株式会社を設立するには1000万円、有限会社には300万円必要でした。そのため、欧米に比べ日本では起業が少ないという問題がありました。そこで、最低資本金制度を緩和しようと、平成15年度には、新事業創出促進法が施行され一定の条件を満たせば、1円でも会社が設立できるようになりました。この制度により、俗に言う「1円会社」は2万6000社誕生しました。しかし、「1円会社」は設立後5年後以内に増資をして資本金を1000万円以上(株式会社の場合)にしなければ、解散しなくてはいけません。ですから、会社を設立・運営していくには、やはり最低資本金という厚い壁がありました。しかし、新会社法では、最低資本金制度は廃止され、会社は1円の出資でも設立・運営ができるようになりました(通達2-1-1(2))。
 
 (2)また、類似商号禁止の規制も廃止されました(通達7-1-1)。商号とは、会社の名前であり、まずはこの名前(商号)を決めることから、会社設立の手続は始まります。旧商法では、ある商号がすでに登記されている場合に、同市町村内で同一の営業内容では、同一の商号を登記できませんでした。そのため、会社を設立しようとする人は、まず法務局で類似商号がないか調べる必要がありました。また、その後、法務局でも、同一の営業であるか否かが焦点となるので、会社の「目的」の記載に関する審査が厳密に行われていたため、非常に時間がかかっていました。
 会社法では、会社設立の手続きを迅速に行うために、類似商号禁止の規制が廃止されました。しかし、すでに同一の住所に登記されている商号と同じ商号を、例え営業内容が違ったとしても登記することはできません(商登法27)。
 
 (3)さらに、銀行等の払込金保証証明も不要となりました。会社を設立する場合は、出資金の払い込みが必要です。会社法ができる前には、払い込みを証明するために、銀行などによる払込金保証証明を受ける必要がありました。しかし、銀行は新たに設立しようとする会社に対して、払込金保証証明をしたがらない傾向にありました。そのため、会社を設立しようとする人は、払込金保証証明をしてくれる銀行を探すために、いくつもの銀行をまわるということにエネルギーを使ってしまうという問題点がありました。また、証明をしてくれる銀行をみつけても、払込金保証証明の交付を受けるには、一定の時間を要していました。
 しかし、払込の証明手段としては、代表者の証明の方法でも問題がないはずです。そのため会社法では、払込金保証証明が不要になりました。また、代表者の証明による方法が認められれば、払い込みが一定の時期に行われたことが証明できることになります。そのため、設立の日までに払い込まれた金銭が使用できないという不都合もなくなったのです。
 
 これらの新しい制度によって、手続きが簡単になり、会社設立が簡単になったのです。
 

   
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