会社設立定款「相続人等に対する売渡しの請求」
(相続人等に対する売渡しの請求)
第○条 当会社は、相続その他の一般承継により当会社の株式を取得した者に対し、当該株式を当会社に売り渡すことを請求することができる。
ワンポイント・アドバイス
上記のように定款で規定すれば、株式会社は、相続その他の一般(包括)承継によりその株式会社の株式(譲渡制限株式に限る)を取得した者に対し、その株式をその株式会社に売り渡すことを請求することができます(
会174)。
相続等の一般(包括)承継の場合には、法律上当然に、一方から他方へ法的地位が包括的に承継されてしまいます。なお、合同会社とは、この点で違いがみられます(
会608)。したがって、譲渡制限の効力は、相続等の一般(包括)承継には及びません。
しかし、それでは譲渡制限を定める狙いが達成できませんので、株式を売り渡すことを請求できるよう定款に規定することにより、譲渡制限を徹底することができるのです。
望ましくない株主が入ることを未然に防止できるようにするためや、株主が分散すると紛争の原因となるために、新会社法になってからの定款見直しの依頼で、この規定を追加してくれという要望が多くあります。ただし、新たに会社を設立しようとする起業家の多くは、比較的に若い方が多い為、この規定は省略することが多いです。